下肢静脈瘤の治療
主に4つの治療方法にわけられます。
1.「弾性ストッキング」を履く
足を締め付ける効果の「弾性ストッキング」があります。
着用すると足が軽くなったり、むくみが改善します。
履いている間、静脈瘤の諸症状を緩和するという治療です。
2.手術による治療
手術には、ストリッピング手術、高位結紮手術、静脈瘤切除術などがあります。
高位結紮術
逆流している血管の根元を縛って逆流を止める治療です。1~2cmの小さい切開で行います。
ストリッピング手術
逆流を起こしている、大伏在静脈または小伏在静脈を引き抜く治療です。大伏在静脈を引き抜く場合、足の付け根を約1~2cm、膝の周囲を6~8mm切開し、血管内に金属のワイヤーを通して、それにひっかけるようにして血管を引き抜きます。麻酔は局所麻酔と伝達麻酔(大腿神経ブロック)で行うので、日帰りでできる治療ですが、治療後は麻酔の効きがきれるまでの2~3時間ベッド上で休んでいただいてから帰宅となります。手術の利点は、他の治療に比べて再発が少なくなります。
静脈瘤切除術(スタブ・アバルジョン)
強くグネグネと曲がった血管は、小さく1~3mm切開して、金属のヘラにひっかけて引き抜きます。しばらく傷は残りますが、おおむね数ヶ月~1年でわからなくなります。ストリッピング手術や血管内治療時に、同時に行います。
3.血管内治療(カテーテル治療)~レーザー治療、高周波(ラジオ波)治療
逆流を起こしている、大伏在静脈または小伏在静脈の中に、点滴を入れる要領でカテーテル(レーザーファイバー、高周波カテーテル)を入れて、血管の内側から熱を加えて、血管を閉塞させる(焼灼)治療です。局所麻酔で治療するので、日帰りでできます。小さい傷(1~3mm)で治療ができるため、手術に抵抗のある方、女性の方におすすめです。
4.硬化療法
細い注射針で"硬化剤"(商品名;ポリドカスクレロール)を静脈瘤内に入れて固める(硬化)治療です。大腿や膝などの背側(裏側)にある細い静脈瘤に対して優れた治療法です。
治療後の生活
普段通りの生活ができます。
しばらくの間、弾性ストッキングを着用していただきます。歩くことも重要です。
ほとんどの場合、治療の翌日からシャワー浴可能です。