鼓膜形成術・鼓室形成術などの耳科手術について

以前からの難聴や進行する難聴、繰り返す耳だれ、めまいなどの症状の中には、手術で治療可能なものがあります。具体的には、慢性穿孔性中耳炎、真珠腫性中耳炎、外リンパ瘻、耳硬化症などの病気があげられます。当科ではこれらの病気の診断、治療、手術を行っていますので、上記のような症状でお困りの場合にはご相談ください。日帰り手術や短期入院での手術も、適応がありかつご希望があれば行っております。

慢性穿孔性中耳炎では、通常は血液製剤であるフィブリン糊を使用しますが、血液製剤を希望されない方にはフィブリン糊を使用しない鼓膜形成術も行っています。新しい治療法である鼓膜再生療法も行っていますが、すべての症例でできる治療法ではなく適応があるか確認してから検討しますので、ご相談ください。真珠腫性中耳炎では真珠腫が増大しないように完全に摘出することを第一の目標として手術を行いますが、可能であればもとの外耳道の形を保った外耳道後壁保存型鼓室形成術や外耳道の形状を再建する外耳道後壁削除・再建型鼓室形成術を行い術後障害の発症を予防しています。ただし病状によっては乳突蜂巣を開放する乳突開放型鼓室形成術を選択することもあります。

また当院では耳用内視鏡を用いた耳科手術も行っております。耳の状態にもよりますが、耳の後ろを切開することなく、耳用内視鏡を用いて耳の穴からだけで手術を行うことも可能です。適応があるかは診察して慎重に判断します。

当院における主な手術内容

• 慢性中耳炎（鼓膜穿孔）に対する鼓膜再生療法（リティンパ®）、鼓膜形成術（接着法）または鼓室形成術（日帰りまたは2～3日入院）
• 真珠腫性中耳炎に対する鼓室形成術・乳突削開術（3日入院～）
• 高度顔面神経麻痺に対する顔面神経管開放術
• 外リンパ瘻に対する内耳窓閉鎖術
• 外耳道真珠腫に対する外耳道形成術　など