耳鼻咽喉科

耳下腺腫瘍

耳下腺が腫れる病気にはいろいろなものがありますが、最も多く見られるものは耳下腺腫瘍です。耳下腺腫瘍は頭頸部腫瘍の中でも比較的多いものですが、約9割が良性、1割が悪性(がん)です。耳下腺腫瘍の治療は、特殊な場合を除いて手術になります。耳下腺腫瘍の手術で問題になるのは、耳下腺の中を顔面神経が通っていることです。

良性腫瘍では顔面神経を温存することに注意をはらい、悪性腫瘍では顔面神経を犠牲にしても腫瘍を完全に切除することが必要になります。したがって大切になるのは、術前検査をしっかり行って良性と悪性の鑑別をできるだけ正確に行うことです。このためには超音波検査、MRIが必須の検査で、必要に応じて細胞診、唾液腺シンチグラフィー、PET-CTを行います。

手術に際しては、多くの手術を経験し顔面神経の走行を熟知しているということと、顔面神経刺激装置を用いて神経の位置を確認しながら行うことが必要になります。顔面神経を切断していなくても術後に顔面麻痺を生じることがありますが、神経を切断していなければ2~4ヶ月ほどで麻痺は回復します。

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